出前館(証券コード:2484)の株情報:ファンダメンタル・決算まとめ
出前館の2020年8月期 通期決算短信を読み解くと売上高10,306百万円に対して 経常利益は2,919百万円の赤字 となっています。2019年8月期 通期の売上高が6,666百万円、経常利益は7百万円の赤字でしたので、 大幅な増収、大幅な赤字拡大 となっています。
新型コロナウィルスの影響で店舗での飲食が制限されたことで 多くの飲食店が宅配サービスに乗り出し ました。その結果、出前館の 加盟店舗数やユーザー数が大幅に拡大 し収入は大きく増えましたが、固定資産の減損処理をしたほか、事業拡大に伴う販売管理費・人件費・広告宣伝費が増加して 収益としては大きな赤字 を出しています。
しかしこれらは成長へ向けた投資ということで赤字が必ずしも悪いとは言えないと考えられます。しかしながら新型コロナウィルスの影響で巣籠もりが増えたとしても、 出前館の業績が上がるかどうかは分かりません 。このあたりをどう考えるかは難しいところです。
出前館事業が躍進
ダウンタウンの浜田さんのCMに見覚えのある方も多いと思いますが、ここがライバルの Uber Eatsとの差を広げるチャンス ということで、テレビCMを中心に広告費を投入しました。その結果 認知率が57.2%から69.6%に短期間で12%上昇 しました。やはりテレビCMの効果は大きいですね。
テレビCMの効果もあって、
①信頼できる
②配達員の質
③お得に利用できる
という デリバリーサービスの3部門において、いずれも1位 に選出されました。
Uber Eatsが主なライバルとなりますが、配達員の質の問題がSNS等で話題になったこともあり、出前館が優勢となっているようです。
今後の業績はコロナが落ち着いて、店舗での飲食がコロナ前と同様になってきた時も、 今のような成長を続けられるか ということだと思います。
中期経営計画
出前館の中期経営計画では2022年8月期までは赤字の予定ですが、2023年8月期にいきなり 120億円の利益 ということで、かなり高い目標を掲げていると言えます。
この中期経営計画が期待されて、 赤字決算にもかかわらず発表翌日の株価はストップ高 となりました。
マクドナルドやすき家、くら寿司といった 大手外食チェーンの加盟 も進んでおり、加盟店舗数や利用ユーザー数が月を追うごとに加速しているようで、このような強気の経営計画が出てきたようです。
また LINE IDとの連携 を11月に予定しており、 クーポンを提供 することで顧客を一気に増やそうと考えているようです。それに加えて一度利用したユーザーに購買ログからレコメンドを提供するなど 既存顧客の囲い込み も抜かりが無いようです。
現在人口カバー率が2020年8月時点で30%のところを 2023年8月には50%以上 にする予定で、加盟店増加、ユーザー増加、人口カバー率の増加による「 デリバリーの日常化 」を中期経営計画のキーワードとしています。
出前館のIR情報は以下のリンクから
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