FRONTEO(証券コード:2158)の株情報:ファンダメンタル・決算まとめ
FRONTEO(フロンテオ)の2021年3月期 第2四半期決算短信を読み解くと売上高5,047百万円に対して 経常利益は187百万円の赤字 となっています。2020年3月期第2四半期の売上高が4,909百万円、経常利益は827百万円の赤字でしたので、 増収・赤字縮小 となっています。
FRONTEOはリーガルテックAI事業とAIソリューション事業が2本柱となっていて、 リーガルテックAI事業が売上の80%程度 を占めますが、今 伸びているのはAIソリューション事業 となります。
フロンテオは創業以来、音声認識や自動翻訳といった 自然言語解析の分野でAIを活用 してきており、
「法律、医療、製造、金融などの分野における専門知識と経験に基づいた高度な理解・判断・行動に寄与すること」
を実現しようとしています。これまでは法律分野での売上が大半でしたが、今後は 医療・製造・金融など様々な業界にKibitの展開を広げる ことができれば、さらなる成長と株価の上昇が期待できるでしょう。
リーガルテックAI事業
人工知能を活用した文書レビューツールである『KIBIT Automator』(キビットオートメーター)は、電子証拠開示手続き(eディスカバリ)の際に必要な 文書レビュー時間の短縮・コスト削減 につながるAIツールです。
米国の大手法律事務所であるBaker Hostetleの協力のもと、実証実験を行ったところ、従来のレビューツールと比べて、レビュー対象となる 文書量を20%削減 でき、弁護士による1時間あたりのレビュー文書数は91.6件と 大幅にスピードアップ することができたとのことです。
FRONTEOの『KIBIT Automator』の強みは、
①他社より少ない教師データで稼働可能
②他社より高精度で欲しい情報を発見可能
ということです。大幅に時間と人件費を削減できるため、今後も本場米国での導入が期待されます。
また契約形態も年間定額によるビジネスモデルを導入予定で、 サブスクのストックビジネス として安定した収益が見込めそうです。
AIソリューション事業
金融機関で人工知能のKIBITが、コンプライアンスチェック業務で活用されており、みずほ銀行での採用が決定したので、 メガバンク3行全てがKIBITを導入 したことになります。
また中外製薬と創薬支援AIシステムのライセンス契約を締結したり、共和薬品と認知症診断に関するAI医療機器の開発・販売に関する提携契約を締結するなど、 医療+AIの事業も積極的 に進めています。
最近では医療・介護に感するソリューションについて、 日本マイクロソフトと協業 することが決まりました。具体的にはマイクロソフトのクラウドプラットフォーム(Azure)上で 認知症診断支援AIシステム を開発することが決まっています。
自然な会話を通じてAIによって認知症の兆候があるのかないのか、といった判断から医師による診断をサポートし、 認知症患者の早期発見・治療 に繋がるとのことです。この協業がIRで発表された時は 一時ストップ高 になるなど株価に大きな影響がありました。やはり期待が大きいソリューションだと言えそうです。
2021年度第1四半期の段階でAIソリューション導入企業数は224社となり、 前年比1.2倍 ということで順調に契約を伸ばしています。医療関係以外にも製造業や金融機関への導入が進んでおり、さらなる 別業種への展開も期待 されます。
FRONTEO(フロンテオ)のIR情報は以下のリンクから
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