アンジェス(証券コード:4563)の株情報:ファンダメンタル・決算まとめ
アンジェスの2020年12月期 第3四半期決算短信を読み解くと売上高28百万円に対して 経常利益は3,150百万円の赤字 となっています。2019年12月期第3四半期の売上高が323百万円、経常利益は2,358百万円の赤字でしたので、 減収・赤字拡大 となっています。
売上が28百万円で赤字が3,150百万円というのは、売上の100倍の赤字って。。。普通に考えたらあり得ない数字ですよね。でもバイオベンチャーにはよくあることです。デルタフライファーマやオンコセラピーサイエンスも同じような決算の数字です。ですからバイオ銘柄に関しては 決算の数字は気にする必要は無い でしょう。
それよりもファイザーやモデルナなど 海外の新型コロナウィルスワクチン の話題が世間をにぎわせていますので、日本発・大阪発のコロナワクチンはまだかという期待が大きいので、その進展によって株価は上下しそうです。 業績よりもワクチンの材料 が欲しいところですね。
新型コロナウィルスDNAワクチンの開発
2020年9月8日(火)に新型コロナワクチン開発関連で
・Brickell Biotech社との米国での共同開発契約締結のお知らせ
・大阪大学医学部附属病院での第1/2相臨床試験開始のお知らせ
を発表しています。
また厚生労働省・大阪府・大阪市といった 行政機関との連携 や、大阪大学医学部附属病院・大阪市立大学医学部附属病院と 治験施設で連携 していて、 オール日本の新型コロナウィルスワクチン開発チーム と言えそうです。日本の名誉のためにも世界に先駆けてワクチン開発を成功させて欲しいですね。
アンジェスの株価が上昇するかどうかは、新型コロナウィルスワクチンの動向によるものが大きいです。共同開発契約の締結や第1/2相臨床試験開始のプレスリリースは好材料ですが爆上げとはなりませんでした。
2020年11月時点で時価総額が1700億円以上あるので、「治験で効果が出た」「製薬会社と大型契約を結んだ」といった ビッグニュースがないと株価は簡単には上がってくれない ようです。
アンジェスの新型コロナワクチン ⇒ DNAワクチン
アンジェスは世界初のプラスミド製剤による遺伝子治療用製品で培ったノウハウを生かして 、新型コロナウィルスDNAワクチンの開発 を進めています。
開発の進捗としては大阪市立大学医学部附属病院と大阪大学医学部附属病院において 第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験実施中 です。そして2020年8月には厚生労働省のワクチン生産体制等緊急整備事業に採択されました。
今後の予定としては2020年秋ごろに 第Ⅲ相臨床試験開始見込み となっています。(執筆時点で10月9日ですが・・・)
そして 2021年春ごろにワクチンの実用化を目標 としています。実用化できたら株価は間違いなく跳ね上がるでしょう。やはりアンジェスの株価は新型コロナウィルスワクチン次第で大きく変わりそうです。
HGF遺伝子治療薬:コラテジェン
遺伝子治療とは遺伝子から作られるタンパク質の働きによって、病気を治す治療法です。特定の遺伝子を患者の体内に入れてタンパク質を働かせます。
またHGFとは肝細胞の増殖を促す物質であり、大阪大学の森下教授らの研究チームによって血管を新生する能力があることが発見されました。
アンジェスは、遺伝子治療の研究を続けてきて、2019年に 世界で初めて プラスミドDNAを用いたHGF遺伝子治療薬「コラテジェン」を製品化することに成功しました。対象疾患は、ちょっとした傷でも治癒できず、虚血性の潰瘍や壊疽(えそ)が起こる慢性動脈閉塞症(重症虚血肢)となります。
コラテジェンは 2019年9月10日から 田辺三菱製薬より販売が開始 されており、本承認に向けて市販後調査を実施中です。
ゲノム編集による難病治療
ゲノム編集は 世界中で注目されている技術 ですが、未だに医療現場で実用化に至っていません。実用化を困難にするのは、狙ったところと違うところを切ってしまう「オフターゲット効果」です。
そんな中アメリカのEmendo社が「OMNI nuclease」というゲノム編集技術を開発し、オフターゲット効果がないゲノム編集技術の確立と医療への応用を目指しています。
類似した配列があったとしても誤って切断しないということで、 安全性の高いゲノム編集による難病治療が期待 されています。アンジェスはこのEmendo社に出資をしており 持株比率が約32% となっていますので、これらの手法が確立されれば株価に大きな影響を与えそうです。
アンジェスのIR情報は以下のリンクから
⇒ アンジェス IR
⇒ Twitter 情報 (アンジェス での検索結果)