テクニカル分析:順張りと逆張りどっちが勝率高い?

 

順張りと逆張りの違い

投資の初心者向けに分かりやすい解説を心がけて 図を交えて順張りと逆張りを解説 します。投資歴が長い方にとっては「そんなことは分かっている」という内容かもしれませんが、今一度 原点に戻ってもう一度確認 してみるのもおすすめです。

テクニカル分析でトレードする手法で、まず2通りに分けるとしたら、「 順張り 」と「 逆張り 」となるでしょう。順張りの方が有利と言う人の方が多いようですが、状況によっては逆張りの方が成果を出す場合もあります。

順張りが有利なケース としては、ローソク足チャートが 明らかな上昇トレンドを描いている ような時です。このようなケースでは流れに沿った順張りで押し目を拾っていくのが王道とされています。

逆張りが有利なケース は、 レンジ相場の底値付近を狙う 場合です。例えばAという銘柄の株価が数か月おきに1000円~1500円のレンジで上がったり下がったりを繰り返している場合は、株価が下落して1000円付近まで下がってきた時に逆張りで買うのが勝率が高くなるでしょう。

ただし、順張りにしても逆張りにしても想定と違う動きをした時は、 早めにロスカット(損切り)をすることが大切 です。株式トレードで実績を出している人は総じてロスカットがうまいという印象です。

順張りで買ったけど、想定以上に株価が下がったとき、逆張りで買ったけどさらに株価が下がったとき、このような場合は 迷いなく損切り するようにしましょう。

言うのは簡単ですが、 多くの人は負けを認めるのが嫌い ですからロスカットが遅くなり、大けがをしてしまいます。自分が機械になったと思って10%下がったら無条件にロスカットなど、 自分なりのルール を決めておくべきでしょう。

証券会社によっては 逆指値注文 ができますので、例えば1000円で買った株は、逆指値で900円以下になったら売りという注文を入れておくのも一つの手です。

短期トレードで大きな値幅を取りやすいのは順張り

デイトレードやスイングトレードのように投資期間が短いトレードの場合は、順張りの方が 大きな値幅を取れる確率が高い とされています。

順張りの場合はトレンドが続く限り、上昇トレンドであれば上昇を、下降トレンドであれば下降を続けますので、トレンドの転換が来るまで 持ち続ければ大きな利益 を得られる可能性があります。

一方短期トレードで逆張りをする場合は、 一時的な反発で小さな値幅 を取ることは可能ですが、例えば下降トレンドで反発狙いで買った場合、下降トレンドが変わっていなければ、反発したとしてもそのまま持ち続けると、トレンドに従って買値よりも株価が下がっていく可能性が高くなります。

ということで特に 短期トレードの場合は順張りをおすすめ します。

高値ブレイク買いと安値ブレイク売り

ブレイク買い、売りのトレードスタイルは順張りの代表的な取引手法です。

高値ブレイク買いは、 節目となる株価を上抜けたら買い 、安値ブレイク売りは 節目の株価を下抜けたら売り といった投資スタイルのトレード手法です。

この節目となる株価は、上昇時の抵抗となる線を「 レンジスタンスライン(上値抵抗線) 」、下落時の抵抗となる線を「 サポートライン(下値支持線) 」などと呼びます。これらの抵抗線はなかなか抜けられずに反発することが多いことから、もし 抵抗線を抜けた(ブレイクした)場合は買いや売りのサイン となります。

この高値や底値のラインは、 ラインで反発した回数が多いほど、ブレイクしたときに順張りが成功する確率が高く なります。何度もはじき返されたレンジスタンスラインを上抜けた場合は買いを検討してみて下さい。

ただしこれらのシグナルも「 だまし 」があるので、高値ブレイクしたと思ったら、すぐにまた下がったといった場合もあります。このような時は「自分が描いたストーリーが崩れた」と考えて 早めに損切り する方がいいでしょう。

押し目買いと戻り売り

順張りの代表的なスタイルとして 押し目買い戻り売り というものもあります。特に押し目買いという言葉は、投資の初心者でも一度は聞いたことがあると思います。

押し目買いは高値から株価が下落してきて、また高値に向かいそうなタイミングで買いを入れる手法です。下落なく上がり続ける株はほとんどありませんので、 上昇トレンドであっても押し目買いのチャンスは必ずめぐってくる と考えて間違いないです。

当然下落するときも、一方的に 一度の反発もなく下落することはほとんどない ので、下降トレンドでいったん上昇したけど、また下落に向かいそうなタイミングで売りとするのが戻り売りの手法です。

こちらもいわゆるダマしもあるので、押し目と思って買ったらそのまま下がってしまった、戻り売りしたら逆にもっと株価が上昇してしまったなど、思惑が外れた時は 迷いなくロスカット を心がけて下さい。

これまでの話を総合すると、勝つためにはファンダメンタル・テクニカルを駆使して売買し、 自分が考えたストーリーと違う展開になったときに迷いなく「ロスカット」 するということが、 勝率を高める一番いい方法 だと思います。