テラ(証券コード:2191)の株情報:ファンダメンタル・決算まとめ
テラ(tella)の2020年12月期 第2四半期決算短信を読み解くと売上高35百万円に対して 経常利益は814百万円の赤字 となっています。2019年12月期第2四半期の売上高が122百万円、経常利益は323百万円の赤字でしたので、 増収・増益 となっています。
バイオベンチャーにとっては売上がほとんどなく赤字であること自体はそれほど気にすることは無いでしょう。手掛けている治療薬が 上市したり製薬会社と大型契約を結んだときに大きな利益を得られる のがバイオベンチャーであり、アンジェスやデルタフライファーマなど他のバイオ株も、そのような出来事がない年は赤字決算が多くなっています。
バイオベンチャー株に投資する人は、直近の決算ではなく将来の上市や大型契約に期待して株式を購入している人がほとんどだと思います。テラの企業理念は「 医療を創る 」ということであり、がんにまつわる不安や不調を世の中からなくすことを目指します。
テラにはどのような強みや将来の事業計画があるのかを見ていきましょう。
テラの強み
HPに「 テラの強み 」がまとめられていました。以下の3つです。
① 世界で認められたがん抗原「WT1ペプチド」
② 東大医科研発の「細胞培養技術」
③ 世界トップクラスの「臨床実績」
①がんの目印となる「WT1ペプチド」は、ほぼすべての固形がん・血液がんに発現していることが明らかにされています。テラは「WT1ペプチド」を樹状細胞ワクチン療法に応用する 独占ライセンスを保有 しています。この療法でがんが治せる日が来たらテラに大きな収益をもたらすでしょう。
②東京大学の医科学研究所で実現されている 高品質で安定的な細胞を培養する技術 を保有しています。
③2019年12月末現在の情報では、契約医療機関での樹状細胞ワクチン療法の累計症例数は約12,200例となっており、 豊富な実績 があります。
テラのビジョン
樹状細胞ワクチンを 再生医療等製品として創薬を目指しています 。製造販売の承認申請に向けた活動や、治療対象となるがんを拡充させる試みも実施しています。また製造技術を改良し低コスト化したり、海外企業との協業も模索しているようです。
また 細胞製品の製造受託事業の拡大 も検討しており、特定細胞加工物の製造受託や新たの抗原の開発、予防医療としての研究開発も行っています。
これらの取組により「 樹状細胞ワクチンを、より多くの人に、より手軽に 」届けることができるようにしたいと考えているようです。
新中期経営計画
2015年の中期経営計画では2020年に売上高150億円を目指すとしていましたが、さすがに無理があったようで、「実現性が低かった」とテラ自身が認めています。
新中期経営計画では 実現可能な戦略 を練っています。
① 細胞医療事業の増収
② 次世代技術の研究開発
③ 開発品の拡大
④ 子会社の見直し
が4つの柱となっています。
テラの中期経営計画の資料には 2025年までの長期計画 も記載されていて、以下が抜粋となります。
<細胞医療事業の売上>
20億円以上
<開発品>
・膵臓がんを適応とした品目は製薬企業へライセンスアウト
・胸腺がんを適応とした品目はPIII入り
・樹状細胞を使った第3の開発品のPIII入り
・次世代開発品のPII/PIII入り
<製薬企業との共同開発>
樹状細胞+チェックポイント阻害剤の併用療法の開発
これらの 実現性や進捗によって株価の動きが変わりそう です。
テラのIR情報は以下のリンクから
⇒ テラ IR
⇒ Twitter 情報 (テラ での検索結果)