クシム(2345)

 

株価・決算・ファンダメンタルまとめ@クシム:最新

株式会社クシム(証券コード:2345)の株情報

クシムの2020年10月期 第3四半期決算短信を読み解くと売上高1,297百万円に対して 経常利益は5百万円の黒字 となっています。 経常利益減少の ネガティブサプライズ決算 と後に記載する ノンコミットメント型・ライツオファリング により株価は初日ストップ安、2日目も 大暴落 しました。

株主価値を下げるライツオファリングは、株主にとっては痛い施策でしたが、事業内容としてはEラーニング事業・アカデミー事業 ・インキュベーション事業が いずれも成長していて有望なIT株 であると言えそうです。

クシムは M&Aも積極的 に行っていてM&Aしたイーフロンティア、ケア・ダイナミクスの2社を連結化したことにより、 今後は売上高・利益の伸長に寄与 しそうです。

全セグメントでは短期的にはニュートラルですが、 通期では大きくプラス になる見通しのようです。

クシムのノンコミットメント型・ライツオファリング

10月28日(水)時点での株主に対して、普通株式1株につき1個の割合で 新株予約権を無償で割当てる というものです。行使価額については以下のような条件がクシムの決算説明資料に書かれていました。

<引用:クシム決算資料>
本新株予約権の発行に係る取締役会決議日の前日(2020年9月9日)の当社普通株式の終値1400円を2で除した結果の値
ただし、条件決定日株価が1400円を下回る場合は、条件決定日株価を2で除した金額(小数点以下切り上げ)に設定

株主様が本新株予約権を行使できるよう、時価を下回る行使価額を設定•既存株主様への株主還元のため、当社株式の時価と無償の中間の価格で発行
</引用>

と書かれていますが、全く株主のことを考えているとは思えません。(現に私は当時株主であり大損しました。。。損切り済み)

条件決定日である10月27日(火)の株価が863円であったことから、 行使価額は432円に決定 しました。 行使比率が 50%の場合は14億程度の資金調達 ができるようです。

私は最初資料を見た時に無償で新株予約権が割り当てられるのに行使しないって意味が分かりませんでした。よく読めば 基準日の株価から半額の値段で新株を買う権利が無償 というだけで、新株を無償でくれるわけではありません。既存株主が新株を手に入れるには 新株購入の資金が必要 です。

ですから権利行使の最終日(12月9日)に 432円以下の株価になると予想しているならば行使しない方がいい ということになります。

ライツオファリングはとにかく分かりにくいですね。私も資料を読んである程度は理解しましたが理解するのに時間がかかりました。。。

良くわかりませんが株価が432円以下になるまでは、どんどん 株数が増えて希薄化してしまう可能性 があるのでとても買う気にはなれません。。

事業内容自体は今後の伸びが期待できる ので、決算&ライツオファリングで大損したのを取り返したい気持ちはあります。とはいえ新株予約券の行使期間が11月2日~12月9日なので、クシム株を買うとしても株価が432円以下になるか12月9日以降となりそうです。

Eラーニング事業

iStudy LMS・SLAPといったクシムの主力商品の 引き合いは堅調 で、 利益率も大幅に伸びて いて今後に期待が持てそうです。

iStudy LMS:企業で動画による学習(eラーニング)のニーズは コロナ禍においてますます拡大 が見込まれます。インフラ環境も刷新し安定してシステム基盤を構築して、各企業向けのカスタマイズ案件を多数受注しているようです。

SLAP:eラーニングシステムのSLAPは、大型案件を受注したほか、 学校教育機関向け無償提供 を行ったところ、多数の引き合いがあった模様です。無償期間が終了した後、 どれぐらいの有料継続率があるのか が株価上昇のポイントとなるでしょう。

アカデミー事業

受託開発やSESは安定成長を続けており、Web系のITシステム開発やオープン系のITシステム開発を 継続して受注できている ようです。

有料職業紹介サービスのACADEMY事業は、高度なIT知識を持つエンジニアを排出し、 経営資源を投下して新規案件の開拓に注力 しています。

インキュベーション事業

システム開発請負事業では、 先端IT領域におけるPoC案件を順調に展開 しています。コンサルティング事業も、セキュリティ、経営・財務コンサルなど順調に案件を受注しています。

また受託研究では東大でAIを研究している松尾研究室とともに、 AI+LMSの取り組みが順調 に進んでいるようです。企画・設計は10月にローンチ予定のようです。

成長戦略

新型コロナウィルスの影響で テレワーク が進んでおり、学校でも 授業オンライン化 が進んでいます。クシムはこのような分野で さらなる商機を獲得していく としています。学校向けのeラーニングシステムであるSLAPはクライアントのニーズを取り入れて、さらなる高機能化を実現し契約を増やしていく予定です。

またフィスコと連携して、上場企業の バーチャル株主総会やIR説明会のオンライン化対応 を支援します。

これらの案件を受注するために プロモーションにも予算を投下 する予定を立てています。

買収した2社イーフロンティアは3DグラフィックやAI×画像処理の技術を生かし、 3D×eラーニング の新たなマーケットを開拓したいとしています。ケア・ダイナミクスは 介護分野において、DXを推進する戦略子会社 として考えていて「 AI+LMS 」を東大の松尾研究室とともに開発していく予定です。

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